東京2020大会オリンピック観戦チケットの抽選結果が発表されましたが、皆さん結果はいかがでしたか。私はいくつか申し込みましたが、残念な結果でした。
私のように落選してしまい他の方法でのチケット取得を考えている方や、もしかしたら運良く当選し過ぎてしまい既に転売を考えている方もいるかもしれません(前者が大半かと思いますが、後者の方がいたら羨ましい限りです。)。
今回は、オリンピックに関連して、規約や法律によるチケットの不正転売の禁止について、また、スポーツつながりとして当事務所内で行われているスポーツについて、ご紹介したいと思います。
東京オリンピック・パラリンピックのチケットについては、東京2020チケット購入・利用規約により、原則として第三者に転売することが禁止されており、インターネット、新聞、チケットショップ等の場所又は媒体を問わず、チケット転売の申出や広告をすることも禁止されています(同35条1項)。これに違反した場合には、そのチケットは無効になり、また、無効になったチケットの交換又は払戻しはされません(同35条2項)。ただし、例外として、①東京2020公式チケットリセールサービス(2020年春頃開始予定)を利用して購入価格で再販売する場合、②チケット購入者の親族又は友人、同僚その他の知人に対して譲渡する場合(この場合も、譲渡代金その他の譲渡対価として、チケットの券面額を超えた金銭又は利益を受領してはなりません。)には、チケットの第三者への譲渡が認められています(同36条1項)。
また、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(平成30年法律第103号。略称「チケット不正転売禁止法」)が2018年12月14日に公布され、2019年6月14日に施行されました。この法律は、芸術・芸能やスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせること(=「興行」。日本国内で行われるものに限ります。)に関し、これを行う場所に入場することができる興行入場券のうち、不特定又は多数の者に販売され、かつ、3つの要件(※)のいずれにも該当するもの(=「特定興行入場券」)の不正転売をすること及び特定興行入場券の不正転売を目的として特定興行入場券を譲り受けることを禁止しています(同法3条、4条)。
なお、この特定興行入場券の不正転売とは、興行主の事前の同意を得ずに業として行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格で特定興行入場券を転売することとされています(同法2条4項)。
東京オリンピック・パラリンピックのチケットは、まだチケットの記載内容等が分かりませんが、この法律に定める「特定興行入場券」に該当する場合には、チケットの不正転売及び不正転売目的での譲受けが法律によっても禁止されます。この法律に違反して不正転売又は不正転売目的の譲受けをした者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます(同法9条)。
※ 3つの要件
(ⅰ)興行主等が、興行入場券の売買契約の締結に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨が当該興行入場券の券面に又は電子チケットの場合はその映像面に表示されていること。
(ⅱ)興行が行われる特定の日時・場所と、入場資格者又は座席が指定されたものであること。
(ⅲ)興行主等が、興行入場券の売買契約の締結に際し、入場資格者が指定されていた場合には入場資格者の氏名・連絡先、座席が指定されていた場合には購入者の氏名・連絡先を確認する措置を講じ、かつ、その旨が当該興行入場券の券面に又は電子チケットの場合はその映像面に表示されていること。
抽選申込みをした際には、上記の規約や法律を気にせず申込みボタンをクリックされた方も、これからチケットの転売や、転売チケットの購入をする際には、一度ご覧になってみてください。特に利用規約は、こんな条件も付けられていたのかという発見もできると思います。そして、上記の事項や公式のチケットルール等を守り、適正にチケットの譲渡・取得をしていただければと思います。
また、東京2020オリンピックが近づくにつれて、チケットの不正転売やチケットに関する詐欺行為等の事案が多数出てくることが予想されます。購入したチケットが不正転売されたもので結局入場できなかった、チケットの代金を支払ったけれど実際のチケットを取得できなかった等の被害に遭うことがないよう、十分に注意してください。
さて、法律関係の話はここまでにして、次に、オリンピックとスポーツつながりということで、当事務所内で行われているスポーツについても、少しご紹介したいと思います。
テニス、野球、マラソン等、当事務所のメンバーが好きなスポーツは様々ですが、当事務所内で一番人数が集まるスポーツは、ゴルフです。ゴルフは、クライアント企業の方や、他の事務所の弁護士と行くこともありますが、当事務所のメンバーだけで、有志でゴルフ旅行をすることもあります。
私は、入所した頃は、司法修習生時代に数回ゴルフクラブに触ったことがある程度でしたが、入所後に先輩アソシエイトが若手アソシエイト数名にゴルフを教えてくれることになり、それがきっかけでゴルフを始めました。
先輩アソシエイトによるゴルフ練習会は、東陽町にあるゴルフ練習場で、アソシエイトが5、6名参加し、ゴルフクラブの振り方等を教えてもらいながら1時間半程度打ちっぱなしをするというものでした。そして、汗を流した後は、ゴルフ練習場の近くの焼肉屋で、ゴルフの話や近況報告等をしながら、ビールと焼肉を楽しみました。もちろん強制参加ではありませんので、念のため(笑)
このゴルフ練習会を経て、私も当事務所のゴルフ旅行に参加するようになりました。この旅行は、1泊2日で、代表パートナーから若手アソシエイトまで、ゴルフをするメンバーが参加します。これまでに白河高原や、土佐・伊豆等に行きました。1日目にゴルフをし、その夜は宴会で盛り上がり、さらに2日目も朝からゴルフをして、最後に軽く打ち上げをする、という行程が通例です。
入所して誘われるまでは、自分がゴルフをするようになるとは思ってもいませんでしたが、いざ実際にラウンドしてみると、青空の下、広い芝生を散策する(当初は散策というより走り回る感じでしたが。)という非日常感を味わうことができ、良い気分転換になります。また、ラウンド中や宴会中等に、他の弁護士からゴルフのアドバイスを頂くことや、ゴルフの話以外にも仕事の経験談等色々な話を聞くこともできます。
私が当事務所に復帰してから早くも3か月が経とうとしています。おそらくあっという間に2020年のオリンピックを迎えていることでしょう。これからも時にはスポーツ観戦やゴルフ等のスポーツで気分転換をしながら、弁護士として日々の業務に邁進していきたいと思います。
2019年6月記
執筆担当者:弁護士 中村明奈
略歴:2012年弁護士登録、当事務所入所。2016年4月から、日鉄住金物産株式会社(法務部)(現 日鉄物産株式会社)に出向し、主にM&A対応、紛争対応、コンプライアンス対応等に従事。2019年4月より当事務所に復帰し、M&A、訴訟・紛争処理等を含む企業法務に関する業務を行う。